
エキナセア
Echinacea purpurea
主な成分
- アルカミド(アルキルアミド)
- チコリ酸
- エキナコシド
- カフェ酸
- アラビノガラクタン
- ゲルマクレンD
- クロロゲン酸
伝統的な利用
- 北米先住民族の伝統医学 — ラコタ族、シャイアン族、コマンチ族など少なくとも14の部族が歯痛、火傷などに使用
- 19世紀アメリカ折衷医学派 — 最も多く処方されたハーブ
- 1930年代ドイツの植物医薬 — マダウス社が種子を輸入し現代の商業市場を構築
- 世界的なサプリメント市場 — 1980年代以降、世界最も売れるハーブサプリのひとつ

1930年、ドイツの製薬会社マダウス社がアメリカに種子を注文した。注文したのはEchinacea angustifolia — 先住民の伝統で最も重視されていた種類だった。届いたのはおそらくE. purpureaだった。
数十年間、誰も気づかなかった。その種子から生まれた産業が、世界のエキナセア市場の基盤となった。今日、E. purpureaが最も一般的な商業種であり、研究のほとんどはE. purpureaを対象としており、元々の先住民の材料 — E. angustifoliaの根 — は専門家の領域に収まっている。
発注ミスが世界的な産業を作った。
この植物について
Echinacea purpureaは、薬用植物であることを知らずに「ムラサキバレンギク」として庭に植えている、あの背の高い花だ。高さ120cmになり、花びらが少し下向きに垂れた大きなデイジーのような花が咲く。中心のとげとげした橙褐色のコーン。属名は「ハリネズミ」を意味するギリシャ語echinosから来ている。触ればわかる。
茎や葉は粗くざらざらしている。ラベンダーのやわらかさも、ローズマリーの芳香もない。風と霜と粘土質の土のために作られた、グレートプレーンの植物だ。観賞用になったのは後から来た話で、それがこの植物の本来の目的ではなかった。
| 詳細 | |
|---|---|
| 科 | キク科 |
| 学名 | Echinacea purpurea(主要商業種) |
| 別名 | ムラサキバレンギク、アメリカンコーンフラワー |
| ライフサイクル | 多年草(株が広がる) |
| 原産地 | 北米グレートプレーンおよび東部 |
| 使用部位 | 地上部(E. purpurea);根(E. angustifolia、E. pallida) |
14の部族に使われ、消えかけ、ドイツに復活させてもらった — 違う種のまま
エキナセアは北米グレートプレーンの少なくとも14の先住民族 — ラコタ族、シャイアン族、コマンチ族、クロウ族、オマハ族、ポーニー族など — が薬用に使っていた。数千マイルも離れた別々の文化が、情報交換なしに同じ植物にたどり着き、同じ評価を下していた。14の独立した判断、すべて一致。
1870年代にはハーブ商人が商品化し、19世紀末には折衷医学派の最も処方されるハーブになった。折衷医学派はアメリカで植物医学と現代医学を統合しようとした医師たちの運動だった。
それからペニシリンが来た。サルファ剤が来た。ストレプトマイシンが来た。これらはエキナセアにできないことをやってのけた。折衷医学派は衰退し消えた。エキナセアは北米の医療からほぼ消えた。
それを生き延びさせたのはドイツだった。マダウス社 — 注文と違う種が届いた会社 — が商業栽培と標準化エキスを開発し、研究を発表し続けた。1980年代にはドイツで最も売れるハーブサプリになり、2000年代初頭には世界トップのサプリのひとつになって、元の輸出元であるアメリカに戻ってきた。すべてE. purpurea — 注文していなかった種 — をもとに作られた。
E. angustifolia — 本来育てようとしていた種 — は今のところコメントしていない。
成分について
高品質のエキナセア根でまず気づくのは、しびれだ。本物のE. angustifoliaの根を口に入れると、30秒以内に舌全体に強いしびれ感が広がる。これがアルカミド — エキナセアに特有の化合物群で、口腔内の神経受容体を活性化する。しびれがなければ品質に疑問がある。これは成分化学の説明が生まれる何世紀も前から、伝統的な使用者が理解していた品質テストだ。
3種類には意味のある成分の違いがある。E. purpurea地上部は多糖類とチコリ酸が豊富。E. angustifoliaの根はアルカミド含量が最高。E. pallidaの根は主にエキナコシドでアルカミドが少ない。多くの製品はこれらを「エキナセア」とだけ表記して販売している。業界はこれで問題ないと判断している。
| 成分 | 分類 |
|---|---|
| アルカミド(アルキルアミド) | イソブチルアミド、2-メチルブチルアミド類 |
| チコリ酸 | カフェ酸誘導体(E. purpureaに多い) |
| エキナコシド | フェニルエタノイド配糖体(E. angustifolia/pallidaに多い) |
| クロロゲン酸 | ヒドロキシケイ皮酸 |
| カフェ酸 | ヒドロキシケイ皮酸 |
| アラビノガラクタン | 多糖類 |
| ゲルマクレンD | セスキテルペン |
| β-カリオフィレン | セスキテルペン |
実際の使われ方
エキナセアは主にチンキまたはカプセルで販売される。チンキ — 特にE. angustifoliaの根から作ったもの — は少量を舌の上に垂らしてから飲む。しびれが強く即座に感じられれば、アルカミドが含まれている証拠だ。しびれがないか薄い場合は、違う種か品質が低い素材か、アルカミドが不足しているかのいずれかだ。これは実験室なしにできる数少ない品質確認の一つだ。
お茶は有効な抽出方法ではない。アルカミドも多糖類も、エタノールに比べてお湯への抽出効率がはるかに低い。エキナセアティーを作っているなら、チンキより重要な成分がかなり少ない量しか摂れていない。これは公然の事実だ。お茶市場はすでにこれと折り合いをつけている。
日本では、米国サプリブランドのカプセル形態がオンラインで主流だ。販売は10〜11月に急増する。ビタミンCや亜鉛と並んで「冬の健康管理」カテゴリーに位置している。季節性は信頼できるほど安定している。
知っておく価値があること:観賞用のムラサキバレンギク(E. purpurea)は日本の庭に広く植えられている、人気の夏の多年草だ。育てている人の多くは、それが自然食品店で売っているエキナセアサプリと同じ植物だと気づいていない。庭でエキナセアを育て、10月にエキナセアカプセルを買い、一度も繋げたことがない日本人がかなりの数いる。この植物は教えに来ない。
自分で育てられる?
E. purpureaは丈夫だ。痩せた土でも、ある程度の乾燥でも、日本の冬でも、特に苦労なく育つ。日当たり〜半日陰まで対応する。日本の園芸店ですでに観賞用として販売されているという事実が、どれだけ手がかからないかを示している。
E. angustifoliaは難しい。水はけのよい痩せた土を好む草原性の植物で、根の収穫まで3〜4年かかる。急ぐ気はない。商業的に重要になるよう頼まれたわけではない。
どちらも侵略的に広がらない。エキナセアは植えた場所でゆっくり株になる。
日本でのエキナセア(エキナセア)
日本にエキナセアの伝統的な使用歴はない。1990年代後半、西洋の自然健康サプリ文化とともに輸入を通じて入ってきた。市場は小さいが、秋になると売上が上がるという明確な季節パターンがある。
エキナセアはビタミンCや亜鉛と並んで「冬の健康管理」カテゴリーで販売される。NOW Foods、Nature’s Way、Swansonなど米国ブランドがAmazon JapanとiHerb Japanで広く流通している。自然食品店や有機系スーパーでも取り扱っている。一般的な薬局やコンビニでは扱いが少ない。
文化的により目に見えるのは庭の花としての側面だ。ムラサキバレンギクは日本の園芸雑誌に掲載され、全国の園芸店で販売され、夏に人気の多年草として定着している。庭の花と10月のサプリ購入の繋がりは、ほぼ見えていない。誰も紹介したことがない。
よくある質問
フロントマターのFAQより生成されます。
植物学的な詳細
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 科 | キク科 |
| 属 | Echinacea(9種、商業的に3種) |
| 主要商業種 | E. purpurea Mill.、E. angustifolia DC.、E. pallida Nutt. |
| ライフサイクル | 多年草 |
| 原産地 | 北米グレートプレーンおよび東部 |
| 栽培地 | 北米、ドイツ、オランダ、中国 |
| 使用部位 | 地上部(E. purpurea);根(E. angustifolia、E. pallida) |
| 保全 | E. angustifoliaは自生地での過剰採集懸念;栽培品の使用が推奨 |
成分一覧
| 成分 | 分類 |
|---|---|
| アルカミド(アルキルアミド) | イソブチルアミド、2-メチルブチルアミド類 |
| チコリ酸 | ヒドロキシケイ皮酸誘導体 |
| エキナコシド | フェニルエタノイド配糖体 |
| クロロゲン酸 | ヒドロキシケイ皮酸 |
| カフェ酸 | ヒドロキシケイ皮酸 |
| シナリン | カフェオイルキナ酸 |
| アラビノガラクタン | 多糖類 |
| ラムノアラビノガラクタン | 多糖類 |
| ゲルマクレンD | セスキテルペン |
| β-カリオフィレン | セスキテルペン |
| ポリアセチレン類 | 各種 |
関連項目
参考文献
- Bauer, R. & Wagner, H. (1991). Echinacea species as potential immunostimulatory drugs. Economic and Medicinal Plant Research, 5, 253–321.
- Linde, K. et al. (2006). Echinacea for preventing and treating the common cold. Cochrane Database of Systematic Reviews, 2006(1).
- European Medicines Agency (2015). Assessment report on Echinacea purpurea (L.) Moench herba recens. EMA/HMPC/557979/2013.
- Foster, S. (1991). Echinacea: Nature’s Immune Enhancer. Healing Arts Press.
- Kindscher, K. (1992). Medicinal Wild Plants of the Prairie. University Press of Kansas.