西洋ハーブ、アーユルヴェーダ、中医学などの伝統に由来する薬用・健康ハーブ。
ハーブ

カモミール
Matricaria chamomilla
もっと名前の格好いいハーブはある。もっと遠い産地のものも、もっと複雑な成分構成のものも。カモミールはそのどれでもない。子どもが描いた野草のような姿をしている――小さな白い花びら、黄色いボタンのような中心、羽のような葉。そして、りんごのような香り。それだけ。

エキナセア
Echinacea purpurea
1930年、ドイツの製薬会社マダウス社がアメリカに種子を注文した。注文したのはEchinacea angustifolia — 先住民の伝統で最も重視されていた種類だった。届いたのはおそらくE. purpureaだった。

ローズマリー
Salvia rosmarinus
古代ギリシャでは、学生が試験でローズマリーの花環をかぶりました。記録されている。ハンガリー王妃はローズマリーを蒸留してヨーロッパ史上初の命名された香水を作りました。これも記録されている。そして今、それは「天然酸化防止剤」または「E392」という表記で包装食品の中にあります。この植物は気にしていない。

バレリアン(カノコソウ)
Valeriana officinalis
バレリアンの根は乾燥させると不快な臭いがする。イソ吉草酸が根のイリドイド化合物の分解から生成される。薬理学的に活性な化合物(バレレン酸)は無臭だ。臭いだけが臭う。猫はマタタビと同様にバレリアンに引き寄せられる。効果は2〜4週間で蓄積する——即効型の睡眠薬とは異なり、翌日は遅い。

ウコン
Curcuma longa
日本には「ウコンの力」というコンビニドリンクがあります。ビールの隣に置かれています。飲酒前に飲むものです。その製品はビールの隣に置かれている。それが飲むべきタイミングだからだ。

セントジョーンズワート(オトギリソウ)
Hypericum perforatum
2008年のコクランメタ分析(5,535名の患者、29試験):プラセボより有効、標準抗うつ薬と同等の効果、副作用は有意に少ない——軽度〜中等度のうつ病に。ドイツでは処方薬として承認されている。ただし処方薬との薬物相互作用は非常に危険で——CYP3A4誘導により移植片拒絶・避妊失敗・HIV治療失敗の事例が記録されている。

ラベンダー
Lavandula angustifolia
あなたはラベンダーの香りをずっと知っている。ホテルの枕スプレー、石鹸、誰かの引き出しの中の小さな布袋 — どこでも嗅いできた。あの柔らかく、甘く、清潔な香り。完全に見慣れたもの。この自信はわかる。ただ、ほぼ完全に見当違いだ。

タイム
Thymus vulgaris
古代アテネでは、誰かが「タイムの香りがする」と言うことはほめ言葉でした。精力的で、品があり、勇敢であることを意味しました。アテネの兵士たちは戦の前にタイムを燃やしました。タイムスという言葉はギリシャ語の「燻蒸する」から来ています。

ペパーミント
Mentha × piperita
ペパーミントは冷やさない。本当は。 メントール — ペパーミントの冷感を作り出す成分 — は体温を下げていない。冷感を感知する神経受容体「TRPM8」に結合して、「冷たい」という信号を脳に送るだけだ。その受容体は実際の低温とメントールの違いを区別できない。ホットドリンクに入れても、35度の夏日でも、冷感は本物として感じられる。温度は何も変わっていない。冷感は完全に作られたものだ。

セージ
Salvia officinalis
中世のことわざは率直です:Cur moriatur homo cui Salvia crescit in horto? ——庭にサルビアを育てている人がなぜ死ぬのか? これはサレルノ医学校(南イタリア)の「レジメン・サニタティス・サレルニタヌム」という健康指南書に記されています——ヨーロッパ最初の医学校とされ、約900年頃から活動していました。ヨーロッパに大学が生まれる前に、セージは最初の制度化された西洋医学教育の推奨植物リストのトップに置かれていました。

エルダーベリー
Sambucus nigra
ヒポクラテスはエルダーの木を「薬箱」と呼んだ。薬局全体が一本の木に詰まっているようなものだ、という意味だ。紀元前400年頃の人物が言ったことだ。それから2,400年以上たった今も、エルダーベリーは毎年冬に最も売れるサプリのひとつだ。

アシュワガンダ(ウィタニア)
Withania somnifera
根は馬小屋の匂いがする。 名前がそれを言っている。サンスクリット語の ashwa(馬)+ gandha(匂い)。生の根を切ると鋭い有機的な臭いがする。同じ名前が同時に「馬の力がついてくる」も意味していた——伝統的な命名は薬理学的なものと象徴的なものを分離しない。

レモンバーム(メリッサ)
Melissa officinalis
鎮静系のハーブのほとんどは、不安を減らすと同時に注意力も下げる。レモンバームの臨床試験は何度もこれとは違う結果を示した:不安が下がりながら、記憶・注意力・処理速度のスコアも上がる。落ち着いて、かつ鋭くなる——これは普通ではない。

マリアアザミ(ミルクシスル)
Silybum marianum
欧州の病院はベニテングタケ(死傘茸)中毒の緊急治療として、マリアアザミ化合物の静脈注射製剤を保管している。同じ化合物が経口摂取でも肝臓保護効果を示す。科学的根拠が最も充実した肝臓保護植物だ。

イチョウ(ギンコ)
Ginkgo biloba
イチョウ・ビロバは植物界全体でただ一種生き残った目(もく)だ。属でも科でもなく「目」全体が今はこの一種だけ。2億7000万年前から存在し、恐竜絶滅を生き延び、原爆を生き延び、今日本の街路樹として並んでいる。

トケイソウ(パッションフラワー)
Passiflora incarnata
スペイン人宣教師は16世紀にこの花にキリストの受難が刻まれているのを「発見した」。先住民はそれより前から鎮静薬として使っていた。2001年のRCTはベンゾジアゼピン(オキサゼパム)と直接比較し、不安軽減で非劣性を示した——職務遂行能力への影響は有意に少なかった。

サンザシ(ホーソーン)
Crataegus monogyna / C. laevigata
5月の花を家に持ち込むのは縁起が悪い——英国の民間伝承だ。理由は諸説ある。花に含まれるトリメチルアミン(腐敗臭の成分)、高い花粉量、キリスト教以前の春祭りとの関連。一方でドイツの心臓専門医は標準化ホーソーンエキスを軽度心不全に処方する。同じ木が同時に両方の対応を生んでいる。

イラクサ(ネトル)
Urtica dioica
刺毛は中空のシリカ針で、触れると先端が折れて内容物を注入する——ヒスタミン、セロトニン、アセチルコリン。蜂刺されのように蟻酸が主成分だという説明は間違いだ。同じ植物の葉は食べられ、根は前立腺肥大の臨床根拠を持ち、茎は青銅器時代の衣服になった。3つの用途、1つの植物。

タンポポ(西洋タンポポ)
Taraxacum officinale
フランス人はタンポポを『pissenlit』と呼ぶ。おねしょという意味だ。この名前は薬理学的に正確で、葉は確かに利尿作用を持つ。ただし通常の利尿剤と違い、カリウムを排出しながら同量のカリウムを補充する。

カレンデュラ(キンセンカ)
Calendula officinalis
その名前はカレンダーを意味する。 プリニウス(大プリニウス)は、カレンデュラが calendae——ローマ暦の月の第1日——に花をつけると書いた。これはわずかに誇張だった。彼が実際に観察していたのは、植物が初霜まで、晩春から一貫して途切れなく咲き続けるということだった。月の初めにも月の末にも咲いている。単に常に咲いているのだ。

オレガノ
Origanum vulgare
料理用オレガノとサプリメントの「オレガノオイル」は同じ植物の異なる亜種だ。料理用はカルバクロール0.5〜3%、オイルサプリは60〜80%——違いは約20〜100倍。スーパーのスパイス棚にあるオレガノを山盛り食べても、免疫用途として試験された成分を同量は取れない。

ノコギリソウ(ヤロウ)
Achillea millefolium
属名はアキレウス——最終的に矢傷で死んだ男。ギリシャ人は自分たちの最も効果的な止血薬を最大の戦士にちなんで命名した。ヤロウは止血アルカロイド・タンニン・抗炎症成分を同時に持ち、傷に特に適している。中国では50本の蓍草(しそう)の茎が易経の占いの古典的ツールとして3,000年使われてきた。

甘草(カンゾウ)
Glycyrrhiza glabra
甘草(kanzo)は古典的漢方処方の約半分に登場する。全疾患の半分に甘草が必要なわけではない。漢方の古典的枠組みの中で他の方法では置き換えにくい機能を担っているからだ:調和させる。強力な生薬を和らげる。処方を整える。

ロディオラ(紅景天)
Rhodiola rosea
ロディオラは北極圏と高度4,000メートルの両方で育つ。ソビエト軍は1960年代から特殊部隊と宇宙飛行士のために研究した。他のアダプトゲン(アシュワガンダ、エレウテロ)が4〜12週間かかるのに対し、単回摂取から数時間で疲労軽減・精神的パフォーマンス改善効果が現れる。

キャッツクロー(ウンカリア)
Uncaria tomentosa
棘は曲がっていて、猫の爪のように見える。これがこの植物がすべての言語で呼ばれる名前の由来だ。 スペイン語で uña de gato——猫の爪。英語でcat’s claw。ラテン語 uncus(鉤)から来る Uncaria。命名パターンはこのつる植物との独立した出会いをまたいで一致している。アマゾンの森の棘は珍しくないが、形が独特だ:猫が引っ込めた鉤爪のように曲がっていて、真っ直ぐな棘ではない。つる植物はそれを使って登る。

アストラガルス(黄耆)
Astragalus membranaceus
アストラガルス(黄耆)の根を乾燥して切ると、舌圧子にそっくりだ。 平たく、淡い黄金色で、繊維質で、わずかに甘い香りがする。薬には見えない。医者が喉を診るときに舌を押さえるやつに見える。これは実際に役立つ識別ポイントだ:乾燥アストラガルス根を注文して袋に入った平たい薄切りが届いたら、それが正しいものだ。

月見草(イブニングプリムローズ)
Oenothera biennis
月見草の花は日暮れに開く。ホークモス(オオスカシバに近い大型のガ)のために設計された花だ。種子油に含まれるGLA(ガンマリノレン酸)は別の話で、ガとは関係ない。でも両方とも同じ植物に存在している。

ブラックコホシュ
Actaea racemosa
薬は1989年にドイツで承認された。作用機序が解明されたのは2003年だった。 ドイツ委員会Eはブラックコホシュ根エキス(Remifemin)を更年期・月経前症候群に対して、臨床試験のエビデンスに基づいて承認した。その決定は——適切にも——植物が何をするか、つまりホットフラッシュを減らすという事実に基づいていた。どうやってそれをするかの完全な理解に基づいてではなく。作用機序は植物性エストロゲンであると推定された——誤って。

ヤエムグラ(クリーヴァーズ)
Galium aparine
クリーヴァーズはコーヒーと同じ科に属する。コーヒーが目を覚まさせるなら、クリーヴァーズはリンパを流す。同じ種子をローストするとカフェインなしのコーヒー代替品になる。

ゴボウ(牛蒡)
Arctium lappa
1948年、George de Mestralがスイスアルプスへの散歩からゴボウの実をコートに付けて帰ってきた。 見た。顕微鏡に乗せた。フック・アンド・ループの構造は精密で機能的だった。7年かけて商品版を開発した。ベルクロと名付けた。

マシュマロルート(ウスベニタチアオイ)
Althaea officinalis
マシュマロキャンディーはもともとこの植物から作られていた。19世紀のフランスの菓子職人が根の粘液を砂糖と卵白と合わせて作った。20世紀初頭の産業生産でゼラチンが植物エキスに取って代わった。名前と形と柔らかい食感は残った。植物は残らなかった。

スカルキャップ(黄芩)
Scutellaria lateriflora / S. baicalensis
「スカルキャップ」は2つの異なる植物の名前だ。北米産(S. lateriflora):地上部を不安・神経症状に使用。中国産(S. baicalensis、黄芩・ōgon):根を漢方で抗炎症・抗ウイルスに使用。日本では黄芩が漢方の主要成分として健康保険適用で処方される。同名の別物だ。

メドウスウィート(セイヨウナツユキソウ)
Filipendula ulmaria
アスピリンはこの植物にちなんで命名された。アスピリンが胃を刺激する原因となっているのは、単離と化学修飾の工程で除去された化合物のためだ。全植物にはサリチル酸塩が通過する胃粘膜を守る粘液質とタンニンが含まれている。薬の名前の由来となった植物が、その薬が欠いている特性を持っている。

夏白菊(フィーバーフュー)
Tanacetum parthenium
1970年代、ウェールズの女性が片頭痛のためにフィーバーフューの葉を毎日噛み始めた。夫は市のロンドン片頭痛クリニックの医師だった。彼女の改善に気づいた。これが現代のフィーバーフュー臨床研究の始まりだ。

ホップ
Humulus lupulus
ホップ摘みの労働者が仕事中に眠り込んだ。18〜19世紀の記録に残るこの観察が、鎮静効果発見の最初の手がかりだった。薬理学的説明は後から来た。発見は逆の順序で起きた——効果が先、メカニズムが後。

メハジキ(マザーワート)
Leonurus cardiaca
属名Leonurusはライオンの尾、種小名cardiacaは心臓。中国語の益母草(母を益す草)、ドイツ語のHerzgespann(心臓の錨)——4つの言語が同じ2つの用途を独立に記録した。植物にはレオヌリンという独自のアルカロイドが含まれ、心筋と子宮平滑筋に作用する。妊娠中は禁忌。

トゥルシー(ホーリーバジル)
Ocimum tenuiflorum
すべての伝統的なヒンドゥー家庭の中庭にトゥルシーが育つ。装飾的な植栽ではない。この植物はヴィシュヌの配偶者であるトゥルシー・デーヴィの地上の姿であり、育てることが礼拝行為だ。3000年の信仰と現代の臨床試験が、同じ方向を指している。

アカツメクサ(レッドクローバー)
Trifolium pratense
アカツメクサはマルハナバチなしでは種子を作れない。ダーウィンはこの依存関係を辿って猫まで達した:猫が増えると野ネズミが減り、マルハナバチの巣が増え、クローバーの受粉が増える。フォルモノネチンとビオカニンAは腸内でダイゼインとゲニステインに変換され、エストロゲン受容体に結合する——これは本物のフィトエストロゲン活性だ。ブラックコホシュとは違う。

モウズイカ(マレイン)
Verbascum thapsus
ローマ人は乾燥した茎を松明として使った。7つ以上のネイティブアメリカン民族が互いに接触することなく同じ呼吸器への用途を発見した。葉の毛は靴の中敷きに使われ、火起こしの火口にもなった。お茶を飲むときは布でこすこと——葉の産毛が喉を刺激する。

ニンニク
Allium sativum
ニンニクを薬効成分として機能させる化合物は、無傷の球根の中には存在しない。 前駆体のアリインは、無傷のニンニク細胞の中で無臭のまま不活性に存在する。酵素のアリイナーゼは別の細胞区画に存在する。球根をつぶすか刻むか噛むと細胞壁が壊れ、アリインがアリイナーゼに出会い、数秒でアリシンが形成される。あの刺激的な臭い、抗菌活性、心血管への効果——すべてこの衝突から生まれる。この植物はあなたのためにアリシンを作ったわけではない。自分をかじるものに対して作ったのだ。あなたはその次の順番にいる。

ティーツリー(メラレウカ)
Melaleuca alternifolia
テルピネン-4-オール(ISO規格では最低30%)が細菌・真菌の細胞膜を破壊する——抗生物質耐性を誘発しないメカニズム。1990年のバセット試験:ニキビに5%ティーツリーゲル vs 5%過酸化ベンゾイルローション、両者とも有効、ティーツリーは副作用が有意に少なかった。第二次世界大戦中オーストラリア軍の救急箱に必須品として分類されていた。

ニーム(インドセンダン)
Azadirachta indica
アザジラクチンが昆虫の脱皮ホルモン(エクジソン)受容体を遮断し、幼虫が変態を完了できなくする——脊椎動物には無害のメカニズム。これが有機農業認証を受けた最大の商業的応用だ。ニンビジンは抗炎症活性(プロスタグランジン合成阻害)。WHOは歯の衛生にニームの小枝を噛む伝統的実践を有効と認定している。

シャタバリ(アスパラガス・ラセモーサス)
Asparagus racemosus
シャタバリは「一百個の根を持つもの」「百人に望まれる者」——どちらの解釈も正確だ。根の束は1株から100本以上の塊根を作る。シャタバリンIVは組織培養でエストロゲン活性を示すが、レッドクローバーイソフラボンほど直接的ではない。2010年シャルマらのRCT:授乳中の母親で血清プロラクチン増加と母乳量増加を確認。アーユルヴェーダのrasayana——急性疾患の治療ではなく、消耗した体質の長期的な滋養。

ブラーミ(バコパ)
Bacopa monnieri
バコパ・モンニエリは日本の水草ショップで水草(ウォーターハイソップ)として売られている——アーユルヴェーダで1,500年以上認知強化に使われているのと同じ種だ。バコサイドが樹状突起の分岐に関与するタンパク質の合成を刺激する——これは構造的変化であり、化学的変化ではない。樹状突起を育てるのには時間がかかるため、効果が現れるまでに12週間必要。カフェインとは根本的に異なるメカニズムだ。

アンドログラフィス(穿心蓮)
Andrographis paniculata
アンドログラフォリドは1ppm以下の濃度で苦味を感じさせる——最も強烈な苦味物質のひとつ。これが薬用活性を持つ同じ化合物だ。主要メカニズムはNF-κB阻害:炎症・免疫シグナル経路の中心にある転写因子を阻害することで、抗炎症・抗ウイルス・免疫調節の効果が単一のメカニズムから生まれる。スウェーデンハーブ研究所のKan Jang(アンドログラフィス+エレウテロ)は風邪症状の持続期間と重症度を軽減するRCTエビデンスがある。

モリンガ(ワサビノキ)
Moringa oleifera
モリンガの種子は水を浄化できる——これは現代の発見ではない。陽イオン性タンパク質MOFCSPが濁水中の陰イオン性粒子(粘土・細菌・有機物)を引き付けて凝集させ沈殿させる。この技術はインドとスーダンで何千年も前から使われていた。葉は完全タンパク質・高鉄・カルシウム・β-カロテンを含む。沖縄では亜熱帯栽培が発展し「沖縄モリンガ」として国産プレミアム製品になっている。

五味子(ゴミシ)
Schisandra chinensis
五味子は名前通りだ——外皮は酸くて甘く、種子は苦くて辛く、果汁は塩味がする。5つの味すべてが1粒の果実に。アダプトゲンという概念はイスラエル・ブレクマン博士がシゾアンドラ・エレウテロ・人参を対象に研究して構築された。シゾアンドリンBは肝臓細胞のグルタチオン合成をサポートする(AST・ALT低下が臨床研究で確認)。漢方では五味子(ゴミシ)として健康保険適用の処方薬成分。北海道と東北の山地に野生自生。

エゾウコギ(エレウテロ)
Eleutherococcus senticosus
エレウテロはパナックス属人参とは異なる属(エレウテロコッカス属)で、活性化合物も異なる。ブレクマンの研究(1960〜80年代):ソビエトのアスリート・軍人・宇宙飛行士で身体持久力・回復・精神パフォーマンスの向上を実証。エレウテロシドB(シリンギン)が主要な標準化マーカー。日本ではエゾウコギとして北海道に自生し、アイヌ民族が数世紀前から強壮剤として使用。

党参(トウジン・コドノプシス)
Codonopsis pilosula
人参(パナックス属)は中国漢方の歴史のほとんどを通じて高価すぎた。党参は人参が届かない人のための毎日のトニックになった——より穏やかで、消化器系に適し、長期使用に向いている。コドノピリオシド類(免疫調節)とタンシェノシド類(適応原的抗疲労)が主要な活性化合物。日本薬局方収載で漢方の保険適用成分。乾燥根をスープやお粥に加える食薬の伝統が数百年続く。

チェストベリー(セイコウノキ)
Vitex agnus-castus
アグヌスカストゥスは「純潔な子羊」を意味する。中世修道士が使い、20世紀のドイツ研究がPMSへの実際の作用(ドーパミンD2受容体作動→プロラクチン低下→黄体期延長→プロゲステロン増加)を解明した。2001年Schellenberg BMJ試験(178名):PMSスコアが有意改善、奏効率52%対プラコボ24%。ドイツ委員会E承認済み。チェストベリーは日本のサプリメント市場に存在するが、漢方には含まれない。

デビルズクロー(ハーパゴフィタム)
Harpagophytum procumbens
ハーパゴフィタム(デビルズクロー)の二次塊根のハーパゴシドはCOX-2・5-LOX・NF-κBの3つの炎症経路を同時に阻害する。2000年RCT(腰痛、88名)でロフェコキシブ(COX-2阻害薬)と同等の結果。2003年RCT(変形性関節症、122名)でジアセレイン(OA治療薬)と同等。ドイツ委員会E承認済み(退行性運動器疾患)。サン族(ブッシュマン)の伝統使用から20世紀のドイツ研究へ。

アルニカ(アルニカ・モンタナ)
Arnica montana
アルニカの有効成分ヘレナリンは細胞毒性セスキテルペンラクトン——高濃度では細胞を殺す、低濃度の外用では特定のシステイン残基でIκBαキナーゼをアルキル化しNF-κBを選択的に阻害する。2003年Widrig RCT(手のOA、204名)および2007年Knuesel RCT(膝OA、175名)で5%イブプロフェンゲルと同等の結果。ドイツ委員会E承認(外傷・打撲・捻挫)。内服不可。

コンフリー(ニッコウキスゲ科)
Symphytum officinale
コンフリーのアラントインは線維芽細胞の細胞増殖を促進し組織修復を加速する。2004年Predel RCT(足首捻挫、203名):10%コンフリー根エキスクリームがジクロフェナクゲルより優れた疼痛軽減・腫脹低下。日本では1970年代に健康食品として普及→肝静脈閉塞性疾患例発生→1989年厚生省警告・市場撤退。現在は外用のみ。ピロリジジンアルカロイド(シムフィチン・エキミジン・ラジオカルピン)の内服は絶対禁止。

オオバコ(プランタゴ)
Plantago major
オオバコ(Plantago major)は温帯ユーラシア原産で現在世界で最も広く分布する雑草の一つ。新鮮な葉を砕いて傷に直接塗布——アウクビンがアウクビゲニンに代謝→プロスタグランジン合成阻害・NF-κB阻害・直接抗菌活性。日本では車前子(オオバコの種子)が漢方成分として利尿・泌尿器・下痢・眼症状に使用。現代薬局のサイリウム(P. ovata)と同属だが全く異なる用途。

ウッドベトニー(スタキス・オフィシナリス)
Stachys officinalis
ウッドベトニー(Stachys officinalis)は中世ヨーロッパで最も頻繁に引用されたハーブの一つだった——ラクヌンガ(10世紀古英語医薬テキスト)に29の効能が記録された。現代の応用は絞り込まれた:頭と上半身に集中した頭痛・神経性緊張・ストレス性消化器症状のための神経強壮剤。スタキドリン・ベトニン(アルカロイド)+ロスマリン酸(抗炎症)の組み合わせ。日本では漢方に関連なく西洋ハーブサプリ市場で少量流通。

セイタカアワダチソウ(ゴールデンロッド)
Solidago virgaurea
ゴールデンロッド(Solidago virgaurea)は虫媒花で重く粘着性の花粉を持ち、空気中に飛散しない——花粉症の原因にはなれない。実際の晩夏の花粉症の原因はブタクサ(Ambrosia属)で、同時期に見えないように咲く。ドイツ委員会E承認:尿路炎症への灌流療法と腎結石予防。利尿(尿量増加)+抗炎症(ルチン・ケルセチン・レイオカルポシド)+抗菌(ビルガウレサポニン)+抗けいれん(レイオカルポシド)の4つの作用が尿路に同時に作用。

アグリモニー(キンミズヒキ属)
Agrimonia eupatoria
アグリモニー(Agrimonia eupatoria)の一次タンニン化合物アグリモニインは粘膜表面タンパク質に結合して組織を引き締め炎症と透過性を低下させる。ドイツ委員会E承認:軽度の非特異的下痢と口腔・咽頭粘膜炎症。バッハフラワーレメディとの有名な関連(「明るい顔の裏に心配を隠す人」)は薬理学的根拠なし。日本では在来種ヒメキンミズヒキ(A. pilosa)が類似の収斂応用を持つ。

ベトニー(スタキス・ベトニカ)
Stachys betonica
ベトニー(Stachys betonica)はウッドベトニー(Stachys officinalis)と同一の植物——Betonica officinalisとも呼ばれる。ラクヌンガ(10世紀)に29の効能が記録された中世ヨーロッパで最も頻繁に引用されたハーブの一つ。現代の応用:頭と頸部に集中した神経性緊張・頭痛・ストレス性消化器症状への神経強壮剤。スタキドリン+ベトニン(アルカロイド)が鎮静なしの鎮静強壮効果を提供。日本では漢方関連なし。

シラカバ(ベツラ)
Betula pendula
シラカバ(Betula pendula)の葉フラボノイド(ヒペロシド・ミリシトリン)は電解質枯渇なしに利尿効果を提供——ドイツ委員会E承認(尿路炎症・腎結石予防の灌流療法)。樹皮のベツリン(外側の白い樹皮の22〜30%)は1788年に植物から単離された最初のテルペン。日本では白樺は北海道の象徴的な木で、白樺文学派(1910〜20年代)が文化的意味を与えた。春の樹液はスカンジナビアと北欧で少なくとも千年の伝統。

ハコベ(ステラリア・メディア)
Stellaria media
ハコベ(Stellaria media)は日本の七草の一つとして1月7日の七草粥に不可欠。温帯世界で最も広く分布する雑草の一つ。外用の冷却・鎮痒(サポニン+粘液多糖類+フラボノイド)が主要な薬用応用で生の植物が最も有効——乾燥で有効成分が劣化する。食用植物としても有効:ビタミンC・ミネラル・フラボノイド含有の春の緑野菜。正式な漢方成分ではないが七草の文化的伝統を通じて日本で独特の地位を持つ。

クラリーセージ(サルビア・スクラレア)
Salvia sclarea
クラリーセージ(Salvia sclarea)の精油はリナリルアセテート40〜75%+リナロール10〜25%で抗けいれん・抗不安効果を持つ。2013年Lee et al.RCTはアロマ吸入後のコルチゾール低下とセロトニン増加を実証。スクラレオール(ジテルペンアルコール、植物に1〜7%)はアンバーグリス代替として高級香水産業の基幹原料。妊娠中は通経作用のため禁忌。漢方・伝統日本医学との関連なし——日本ではクラリーセージはアロマテラピーと化粧品市場のみ。

エレカンペーン(イヌラ・ヘレニウム)
Inula helenium
エレカンペーン(Inula helenium)の根は乾燥重量の最大44%がイヌリン——現代のプレバイオティクス食品産業が「イヌリン」と呼ぶ化合物の語源はこの植物の属名Inula。アランとラクトン・イソアランとラクトン(セスキテルペンラクトン)が結核菌・黄色ブドウ球菌への試験管内抗菌活性を示す。伝統的位置づけは「深部肺強壮剤」——冷・湿・有痰の慢性呼吸器状態に特異的。根の煎剤が標準(セスキテルペンラクトンは熱抽出が必要)。日本では土木香として漢方に収録。

グラウンドアイビー(グレコマ・ヘデラケア)
Glechoma hederacea
グラウンドアイビー(Glechoma hederacea)は15〜17世紀にホップが普及するまで英国のエール製造で清澄化・苦味付け・保存に使われた——アレフーフの名の由来。プレゴン(ペニーロイヤルと同じ化合物)を含むため妊娠中禁忌、短期使用に限定。現代の応用:鼻腔うっ血とカタルへの刺激性去痰剤。日本在来変種カキドオシ(var. grandis)は民間療法で腎結石・尿路への応用——ヨーロッパとは異なる器官系への同植物化学成分の応用。

ヒソップ(ヒソプス・オフィキナリス)
Hyssopus officinalis
ヒソップ(Hyssopus officinalis)の一次揮発性ケトン——ピノカンフォン+イソピノカンフォン——が気管支分泌を刺激し去痰を促す。ピノカンフォンは精油では高用量で痙攣誘発性があるため精油の内服不可だが、浸剤・チンキは安全。カール大帝の勅令(795年頃)がすべての王室領地で栽培を義務付け。ベネディクティン・シャルトリューズのハーブ配合成分。日本では漢方関連なし——西洋ハーブサプリメント市場のみ。

レディースマントル(アルケミラ・モリス)
Alchemilla mollis
レディースマントル(Alchemilla mollis)のエラジタンニン+縮合タンニンが子宮粘膜を収斂して過多月経を緩和——バラ科ハーブ(ラズベリーリーフ・アグリモニー)と同じ機序。月経周期全体を通じた生殖器系強壮剤として伝統的欧州ハーブ医学に記録。ドイツ委員会Eのモノグラフなし——RCTではなく伝統的観察に基づく。日本では漢方関連なし——西洋ハーブと天然化粧品市場のみ。

セイヨウシナノキ(ティリア・コルダタ)
Tilia cordata
セイヨウシナノキ(Tilia cordata)の花はドイツ委員会E承認(感冒・咳嗽・カタル)。チリロシド(フラボノイド配糖体、動物研究でGABA-A受容体調節)+粘液+揮発性テルペンが鎮静なしの落ち着き効果。フランスで少なくとも500年にわたる家庭医療の定番、子どもにも安全。日本では菩提樹(ただし菩提樹は本来インドの聖なるイチジクを指し曖昧さがある)——西洋ハーブサプリメント市場で入手可能。

ラングワート(プルモナリア・オフィキナリス)
Pulmonaria officinalis
ラングワート(Pulmonaria officinalis)の粘液が刺激された粘膜を鎮め、サポニンが去痰し、アラントインが組織修復を促進——コンフリーより低濃度だが同メカニズム。コンフリー科(ムラサキ科)として微量のピロリジジンアルカロイドを含むが、コンフリーより大幅に低い。薬草類似説が誤りだった例で、応用が偶然正しかったケース。日本では薬用ではなく観賞用として使われるのみ。

メドウクレインズビル(ゲラニウム・プラテンセ)
Geranium pratense
メドウクレインズビル(Geranium pratense)の根はジェラニイン(ゲラニウム属に特異的なエラジタンニン)が主要収斂成分で、ヨーロッパ伝統ハーブの中でも最も高タンニンの部類に入る——トルメンティル根と同等、アグリモニーやラズベリーリーフより強い。日本在来種ゲンノショウコ(G. thunbergii)は漢方で下痢・消化器炎症に使われ、タンニン機序で独立してヨーロッパの応用に収束している。

ヨモギ(アルテミシア・ウルガリス)
Artemisia vulgaris
ヨモギ(Artemisia princeps、日本;A. vulgaris、ヨーロッパ)は東アジア伝統医学でお灸(もぐさ処理)の標準素材。3〜5月に採取される若芽は草餅・天ぷら・ヨモギ茶として食べられる日本の春の食文化の中心。揮発性油(ツジョン・カンファー・シネオール)と苦味セスキテルペンラクトン(アブシンチン・アルタブシン)が薬理活性の主体。高用量の内服はツジョンの神経毒性により注意必要;妊娠中禁忌。

ペニーロイヤル(メンタ・プレジウム)
Mentha pulegium
ペニーロイヤル(Mentha pulegium)の精油主成分プレゴンは最大90%——肝臓でCYP2E1によりメントフランに代謝、肝細胞壊死を引き起こす。ヒポクラテスから2500年間、子宮収縮性は実証された薬理メカニズム。欧州医薬品庁:全ての医薬用途でベネフィット・リスクが不利。安全な用途:乾燥ハーブのノミ忌避サシェ(最安全)、低用量駆風薬(妊娠確認の非妊娠者のみ、最大1〜2週)。精油の内服は用量に関わらず禁忌。日本では西洋ハーブ・アロマテラピー市場のみ、EMA警告に準拠した外用のみ。

ペリウィンクル(ビンカ・ミノール)
Vinca minor
ペリウィンクル(Vinca minor)のビンカミン(インドールアルカロイド)が脳血流と酸素利用を増加——1950年代にハンガリーの研究者が単離。合成誘導体ビンポセチンはハンガリーと日本で医薬品として承認(脳血管疾患)、米国ではサプリメントとして販売(FDAが薬物分類に異議)。マダガスカルペリウィンクル(Catharanthus roseus)は別属——ビンクリスチン・ビンブラスチンで小児ALL生存率を0%近くから80%超に改変。ツルニチニチソウは日本で観賞植物として普及。

ラズベリーリーフ(ルブス・イダエウス)
Rubus idaeus
ラズベリーリーフ(Rubus idaeus)のエラジタンニン+フラボノイドが子宮粘膜・消化管粘膜を収斂——バラ科ハーブ(レディースマントル、アグリモニー)と同機序。1999年パーソンズら後ろ向き研究:第2期分娩短縮+鉗子分娩減少;2001年RCT:有意差なし、安全性確認。助産師伝統は安全性証拠を根拠に継続。フラガリン(伝統書記載の子宮収縮成分)は現代植物化学では確認されていない。覆盆子(R. chingii未熟果)は漢方で別応用、別種。

ひなげし(パパウェル・ロエアス)
Papaver rhoeas
ひなげし(Papaver rhoeas)の主アルカロイドのローエアジンはイソキノリンアルカロイド(モルヒネと同クラスだがオピオイドではない)——軽度のCNS抑制と抗痙攣作用。ドイツ委員会E:鎮咳・去痰に肯定的モノグラフ。シロップ・ド・コクリコ(コクリコシロップ)はフランスで今も市販。WWI追悼記念の主要シンボル:パスカンデール周辺の砲撃と白亜石灰岩の攪乱土壌がこの植物の発芽を促した——マクレーの観察は植物学的に正確だった。日本では主に観賞植物。

ウツボグサ(プルネラ・ブルガリス)
Prunella vulgaris
ウツボグサ(Prunella vulgaris)のロスマリン酸(抗炎症・抗ウイルス)+ウルソール酸(トリテルペノイド)+タンニン(収斂)が創傷治癒・咽頭炎応用を支持。夏枯草(漢方):同じ植物の乾燥花穂——肝火(目赤・腫れたリンパ節・高血圧)に使用。プルネリン(硫酸化多糖)のHIV細胞培養抗ウイルス活性(Yao et al. 1992)は実験室的知見——臨床応用ではない。世界中の芝生に自生;大半の人が踏んでいる。

ナズナ(カプセラ・ブルサ・パストリス)
Capsella bursa-pastoris
ナズナ(Capsella bursa-pastoris)のチラミン・アセチルコリン・コリン(血管収縮)+ジオスミン(毛細血管保護フラボノイド)+オキシトシン様ペプチドが止血機序。EMA HMPC:過多月経への伝統的使用を承認;ドイツ委員会E:鼻血・月経前緊張・月経過多に承認。七草(なずな):平安時代から続く1月7日の伝統——医薬的ではなく季節的食用ハーブとして。妊娠中は禁忌(子宮収縮作用)。

アマドコロ(ポリゴナツム・ムルティフロルム)
Polygonatum multiflorum
アマドコロ(Polygonatum multiflorum)のポリゴナチン(ステロイドサポニン)+粘液多糖+アラントインが結合組織・粘膜応用の薬理学的基盤。マシュー・ウッド(2008)の臨床観察から来る西洋ハーブ結合組織応用:「弛緩した組織を引き締め、硬直した組織を柔らかくする」——薬理学的メカニズムは議論中。中国医学:玉竹(P. odoratum)は肺胃陰虚のyin強壮剤;黄精(P. sibiricum等)は脾肺腎の気陰強壮剤——欧州種とは異なる種・診断枠組み。アマドコロ(玉竹)は漢方成分。

スイバ(ルメクス・アセトサ)
Rumex acetosa
スイバ(Rumex acetosa)は食用ハーブとして第一義的に重要——フランスのsoupe à l’oseille(ソレルスープ)、アシュケナジ系ユダヤ料理のシャブ(冷製スープ)、東欧のソレルボルシチ。シュウ酸700〜1200mg/100g(ほうれん草と同等)——通常の料理量は大半の健康な成人に懸念なし;腎臓結石の既往者・腎疾患患者は制限推奨。ビタミンC 75〜119mg/100g(鮮葉)——乾燥で分解。アントラキノン(タデ科に共通)が大量摂取で軽度下剤効果。日本:スイバは野生自生するが漢方との関連は限定的。

クワガタソウ(ベロニカ・オフィキナリス)
Veronica officinalis
スピードウェル(Veronica officinalis)の主要イリドイドのアウクビンはNF-κBを阻害し、プロスタグランジン生合成を阻害し、抗菌活性を示す——オオバコと共有の化合物(これが2001年の科の統合の薬理学的根拠)。ドイツ委員会E:陽性モノグラフを発行しなかった(証拠不十分);欧州医薬品庁:伝統的登録として承認(伝統的使用の文書化に基づく)。日本:イヌノフグリ(V. persica)は帰化雑草;V. officinalisは観賞・西洋ハーブ市場のみ。

スイートバイオレット(ビオラ・オドラータ)
Viola odorata
スイートバイオレット(Viola odorata)の粘液多糖+サポニンが咽頭・上気道粘膜の鎮静・去痰に機能。サリチル酸誘導体+タンニンが局所抗炎症・収斂作用。シロップ・ド・ビオレットは20世紀まで咳薬としてフランスで市販。シクロチド(1999年単離の環状ペプチド)が細胞培養で細胞毒性・抗ウイルス・抗菌活性を示す——前臨床的知見のみ。根は催吐性で内服禁忌。日本:60種超の固有スミレ属;春の俳句・詩の季語;V. odorataは観賞植物として。

ヨモギギク(タナセタム・ブルガレ)
Tanacetum vulgare
ヨモギギク(Tanacetum vulgare)のツジョン(αβ両異性体)はGABA-A受容体アンタゴニスト——神経抑制をブロックし神経興奮性を高める。EMA 2010年公式声明:治療量と神経毒性量の差が受容できないほど狭い。現代の安全な応用は虫除けのみ(乾燥ハーブ小袋)。イースターのタンジーケーキは14〜18世紀イングランドの文化的記録。日本:ヨモギギク——伝統的医療応用なし;北海道等の帰化雑草。

クマツヅラ(ウェルベナ・オフィキナリス)
Verbena officinalis
クマツヅラ(Verbena officinalis)のイリドイド配糖体(ウェルベナリン/ハスタトシド+アウクビン+カタルポール)が神経系強壮・消化促進・発汗促進の薬理的基盤。EMA伝統的ハーブ医薬品:神経系サポート・消化苦味強壮・発汗に承認(伝統的使用)。妊娠禁忌(子宮収縮)。日本:クマツヅラ——帰化雑草;漢方応用なし;欧州ハーブサプリメントとして入手可能。

ホワイトデッドネトル(ラミウム・アルブム)
Lamium album
ホワイトデッドネトル(Lamium album)のタンニン(収斂)+イリドイド(ラマルビド、ラミイド;抗炎症)+粘液多糖(粘滑)が月経過多・膣分泌物応用の薬理的基盤。EMA HMPC承認:月経過多への伝統的使用。EU伝統的ハーブ医薬品登録。日本:ヒメオドリコソウ(L. purpureum)が一般的な帰化雑草;L. albumも存在;漢方応用なし。

オートムギ(アウェナ・サティウァ)
Avena fatua / Avena sativa
オートムギ(Avena sativa)のアウェナントラミド+β-グルカン+グラミン(微量)+Bビタミン+ミネラルが神経強壮の薬理的基盤。臨床エビデンスは限定的(Kennedy 2011、37名):プラセボと比べ認知機能と気分に改善示唆。心血管β-グルカン応用は食品量エビデンス(FDA承認1997年)——ハーブ浸剤量ではない。コロイド状オートミール:FDA承認スキンプロテクタント(2003)。日本:オートムギ——食品;漢方応用なし。

ノイチゴ(フラガリア・ウェスカ)
Fragaria vesca
ノイチゴ(Fragaria vesca)のエラジタンニン(エラジ酸・没食子酸)+クエルセチン+ルチンがバラ科タンニン収斂の薬理的基盤。EMA HMPC承認:消化器収斂・下痢への伝統的使用。フラガリン(古い文献の記載、現代化学では未確立)。日本:ワイルドストロベリー——庭の植物;ハーブティー(西洋伝統);漢方応用なし。

ウィッチヘーゼル(ハマメリス・ウィルギニアナ)
Hamamelis virginiana
ウィッチヘーゼル(Hamamelis virginiana)のハマメリタンニン(Hamamelis属特有のエラジタンニン)+プロアントシアニジン(縮合タンニン)が静脈強壮・抗炎症の薬理的基盤。Korting 1998年RCT(72名湿疹患者):ウィッチヘーゼルクリーム対1%ヒドロコルチゾンクリーム——統計的に同等の抗炎症効果、より優れた忍容性プロファイル。ドイツ委員会E承認:痔・皮膚炎・静脈瘤・打撲。蒸留ウィッチヘーゼル水は1860年代から継続的に市販。日本:マンサク(H. japonica)——在来の観賞用植物;H. virginiana製剤も入手可能。

ミヤマカタバミ(オキサリス・アケトセラ)
Oxalis acetosella
ミヤマカタバミ(Oxalis acetosella)のシュウ酸(カタバミ科の特徴的な酸味)+ビタミンC(新鮮葉のみ)+フラボノイド(ルチン・ケルセチン)が主要な薬理・食品的側面。薬用よりも食用が主要用途:春の若葉はサラダ・付け合わせに;歴史的な壊血病予防緑葉・冷却飲料。日本:ヤマカタバミ——山林の植物;カタバミ(O. corniculata)が一般的な帰化雑草で同様の民間虫刺され応用。漢方応用なし。